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雑誌名 ジャーナルの国際生命情報科学会 vol.23 、No.2( 20050901 ) pp. 314-319
国際生命情報科学会(ISLIS) 13419226

催眠状態における生理への効果
生理中に催眠効果 Physiological Effects during Hypnosis
町 好雄 1 劉 超 2
MACHI Yoshio 1 LIU Chao 2
1東京電機大学大学院工学研究科人体科学研究室 2東京電機大学大学院工学研究科人体科学研究室
キーワード催眠生理計測腹式呼吸自律神経系の血流

要旨
催眠の歴史は長く、現象の面では不思議な現象が起きることは知られているが生理における変化についてはまだ良く分かっていない。当研究室では催眠術療法家井手無動師のご協力をいただき、女性被験者Tに催眠をかけて、被験者の生理の測定を測定することで、催眠が生理にどのような作用を及ぼすことができるかを明らかにするためのものである。その結果、催眠を受けると目では分からない呼吸が平常値から変化をすることがわかり、その結果、血流の増加する場合、減少する場合もあることがわかった。心拍数の増加にも関係することがわかった。これらのことは自律神経系に作用することを示している。また脳波の測定結果から、催眠に入ると脳活動が大きく低下することを示すことができた。ただ、その中でも特にβ1波の活動が低くなっている時に、いやなたばこの煙りがきているといわれて強く脳波が反応していることがわかった。すなわち、脳活動を単に低下させるだけではなく活発にすることも可能であることがわかった。

1. はじめに

 催眠治療に関する歴史は古く、医療技術として長く使われてきた。この方法は人間の心を研究する場合、一つの方法として面白い方法である。特に人間の脳の研究は今世紀重要な研究テーマでもあり、人間を理解するために重要な方法である。特に人間の脳の研究は今世紀の重要な研究テーマでもあり、人間を理解するために重要な方法と言えよう。
2. 実験方法
 催眠は井手無動師に行っていただき、被験者は女性Tさん(32才)の御協力をいただいたのでその結果について報告する。各種生理測定センサーを付け、最初の約2分の安静閉眼時間を置き、その後、催眠に入った、催眠をかけてい 催眠は井手無動師に行っていただき、被験者は女性Tさん(32才)の御協力をいただいたのでその結果について報告する。各種生理測定センサーを付け、最初の約2分の安静閉眼時間を置き、その後、催眠に入った、催眠をかけている時間は15分程度で、その間は種々言葉による誘導を行ったが、それはグラフの下に記入してある。その後、再び安静閉眼を約15分間行った。
 測定項目は、脳波、サーモグラフ、首の血流、印堂の血流、腕の筋電、緊張度(GSR)、心電図、鼻呼吸、腹部呼吸、手の労宮の温度を計測し、脳波以外の生理情報は、バイオパック杜のMP100を使って同時計測を行った。
3. 実験結果と解析結果
 バイオパック社のMP100による生理測定の結果をFig.1に示す。その中で特徴のある点について下記に示す。
腹部呼吸: 
 図1に示してあるように催眠がかけられると、腹部呼吸の回数が増加している所が最初と催眠時間の後半にも同様な所が見られる。そこで呼吸の回数と心拍数をFig.2に示す。この図から最初の安静時に比べて呼吸回数に変化が見られるのは眠開始から280秒までの間(Periodlとする)と550秒忖近(period 2)と700秒から1000秒の間(period 3)である。
首、及び印堂の血流:
 Fig.1の上から2番目に首の血流、4番目に額の中央の印堂における血流を表わす。これはレーザドップラー血流計で計測したものである。首及び印堂での血流において、period lでは瞬時には最初の安静時に比べて血流が増加したように見えるが、平均的には血流は低下していることがわかる。 Fig.1の一番下に心拍数を示してあるがわずかに心拍数が増加しているが、安静時に比べて心拍数の上昇がわずかでさらに呼吸による変動は少ないことがわかる。それに比べてperiod 2, period 3 の場合は血流も心拍数の増加は大きいことがわかる。このことはperiod l は他のPeriod 2 及びPeriod 3 とは異なることがわかる。
首の温度:
 Fig.1の上から3番目は首の温度(相対値)を示しているが、最初の安静閉眼時にやや温度が上昇したが、催眠開始から力がぬけるまでの時間では温度には変動がみられない。 Period 2 では首の温度の上昇は見られないが、血流の増加した時間が短時間であったためと考えられる。しかるにperiod 3の後半では明らかに温度上昇が見られる。従って、period lとeriod 3 とは状態が異なっていることがわかる。
右腕の筋電図:
 Fig.1においてperiod lの時間に筋電が大きく出力が出ていて、腕に力が入ったことを表わしている。 Period 2 を含む時間では筋電はperiod l に比べてやや弱い筋電が記録されている。 Period 3 が終了間際にperiod 2に比べてやや強い筋電が観測できた。これは催眠中にやや力が入っていたことを示している。
自律神経系:
 心電図のR-R間隔の揺らぎを解析することで求められるLF、HFと/HFをFig.2示した。LFとHFのグラフにおいて、period l ではHFはほとんど変化せず、LFが大きく変化している。この事は、period l では副交感神経系が優位になっていることを示しており、LF/HFの図でもperiod lの期間には大幅にLF/HF値が低下していることからもわかる。しかし、period 2、 period 3では心柏が大きく上昇していることと、LF/HFの値が上昇したことで交感神経系が優位に働いたことを示しているのでperiod l とは異なっていることが明確になった。
脳波による結果:
 脳波は10-20国際電極法による測定を行い、19個の電極で測定を行った。1つのトポグラフを2.56秒間のデータを用いて構成し、実験期間全体のトポグラフを作成し、さらにトポグラフで中位の電位、ここでは1zzvの電位で切断したトポグラフ上の面積を求めて作成したのがFig.3である。
 各図面には脳波をβ1、β2をー組にして上に、a1とα2は中央に、θとδを下に示した。この各脳波の表示において注目すべきことは、生理で述べたようにperiod l、period 2 とperiod 3 である。まずPeriod l は催眠をかけた直後であるが、β2、α1、a2、θ、δ波は急激に電位が低下したことを示している。この傾向はperiod 3 でも同様な変化を示している。period 2 はでは変化する時間が短いので、脳波に現われているのはβ1とδのみである。ただし、β1は全く異なった変化を示していることに特徴がある。
 安静閉眼時に比べて、各脳波の活動電位が低下していることは脳活動の低下を意味している。特に脳波の電位の低下が激しいのはβ2、(d、a2、θ波であり、変化量が少ないのはδ波である。さらにβ1は安静時にはほとんど活動がなかったが、period l、2、3において逆に活動電位が上昇していることがわかった。

3. 考察

 催眠にかかるとは生理的にどのようになるかについて計測を行った。催眠術の施術者からは言語による誘導によるものと考えられるが、その結果、腹部呼吸が安静時に比べて呼吸回数の増加が見られた。その時には腕の筋電の測定から腕の筋肉は緊張状態にあることがわかった。この緊張状態は催眠の深さで変化するように見られた。
 緊張の度合いはGSRからも分かるが、心拍数の変化から読み取ることもできる。その結果、period l ではやや心拍数が増加したが、period 2、3に比べてほとんど大きく変化していない。特にLF/HFを計算することからperiod l は副交感神経系が優位であることがわかった。
 しかるに、period 2、3では心拍数が明確に増加していることとLF/HFの値を考えると、この場合は交感神経系が活発になっていることがわかる。すなわち、自律神経系を制御できることがわかった。
その結果は血流の変化からも読み取ることができる。
 脳活動という見地から見ると、β1以外では催眠を受けると脳の活動レペルが低下することも示した。その中、6波においても低下は認められたが、低下の程度はそれほど大きくなかった。β1の脳波において、975秒付近で急激に増加が認められるが、これはたばこの煙りのため息苦しくなった所で拒否反応が強く出たものと考えられる。





東京電機大学での催眠実験

東京電機大学大学院工学研究科人体科学研究室における
町 好雄 教授との催眠状態における生理への効果の実験

この実験の一部が、2005年3月5日
テレビ朝日「ドスペ!」土曜夜7時~9時の番組の
中で放映されました。
興味がある方はこの番組を編集したDVDをお貸しいたします。

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